憲法の教材

分類…1は基本的な体系・知識をつけるための教科書、2は更に細かい学説を知るための基本書、3は演習用教材、4はその他
評価…★★★は是非買うべき一冊、★★はお好みで、★はあまりお勧めできないもの
頻度…自分が読んだ回数です。通読+回し・飛ばし読みなので、一応の目安にすぎないものですが、とりあえずこの数字が低いのは当てにならないということですwえ、そもそもお前の言うことなんか全部当てにならない?

・自分の場合
憲法を最初に始めたのは三年の十二月だったと記憶しています。最初は「四人組」(有斐閣憲法・下の教材三番目)を上下ともに回したのですが、全然頭に入りませんでした。枠組みも何もないのにいきなりこんな学説の整理本読めばそりゃそうなるわって話なんですがw
ここ一年は、高橋憲法(一月)→百選(択一前)→長谷部憲法(十月)+問題演習(急死H19〜13、ロー過去問、法教)くらいしかやらなかった気がします。基本的には憲法は妄想ばっかりで、妄想に役立つようなもの(法教とか)は割と読みましたw
個人的には、長谷部憲法+四人組補強+百選+演習が正解かなと思っています。

憲法 (新法学ライブラリ)

憲法 (新法学ライブラリ)

分類:1
評価:★★★
頻度:2
基本的に憲法はこれが一番です。これ読んであとは適当に法学教室やら判例百選やらで補強すればいいのではないかと思います。ただし、長谷部先生のご見解を割と前に出しているところがあるので、余裕があればもう一冊何か読むといいかもしれません。自分はロー入試の一ヵ月半前に買って、流し読みしましたがこれが一番よかったような気がします。まあ元は「切り札としての人権」っていうのが気になって買ったんですけどw


立憲主義と日本国憲法 (放送大学教材)

立憲主義と日本国憲法 (放送大学教材)

分類:1
評価:★★
頻度:3
上述長谷部先生の教科書と同じ位置づけです。これも悪くないのですが、長谷部先生の方が読みやすいしロジックが見えやすいような気がします。また、高橋先生は長谷部先生よりご年長ですから、長谷部先生のを読んだ方がいいのかもしれません。ただし、いわゆる通説である芦部説に近いのはこちらでしょう。また、基準論は結構分かりやすく載ってます。


憲法〈1〉

憲法〈1〉

分類:2
評価:★★
頻度:5
学説の整理本。もちろん基本的な知識を整理するにはすばらしいのだが、これを読んでいても、問題解決能力はつかないので、論文問題は典型論点については別として、あまり解けるようにならない気がします。あと、書かれた方もかなりご年配なので、学説が従来の議論しか載っていない(まあ別にそれでもいいんですが)んですよね。ただし択一対策にはいいと思われます。自分は四回ほど通読し、あとは辞書的に使ってました。


法学教室338 (2008年11月)

法学教室338 (2008年11月)

分類:3
評価:★★★
最後のほうに載っている演習問題について。04年からの安念先生の演習、06年から(だったと思う)の西原先生の演習がいいと思います。特に安念先生の演習は笑いそうになるほど面白いのと同時に、主体的に問題意識を持つことができるという超優れもの。是非解くべきでしょう。自分はただ読むだけでしたが、それでもすごい役に立ちました。


別冊ジュリスト No.186 憲法判例百選1

別冊ジュリスト No.186 憲法判例百選1

分類:4
評価:★★★
頻度:3
改訂されてよくなった気がするのは気のせいかな?wこれは全部読みました。判例がやたら問われる急死択一対策としては、少なくとも判旨は全部読んだ方がよいかと思います。
憲法判例って行政事件が多いので、実は憲法を理解するというより行政法を理解するのに役に立つことが多かったりします。また、当たり前ですが日本には「憲法訴訟」という分類はないので、行政民事刑事の事件の中で、どのような形で憲法が問題になり、判例はどのようにしてその問題を解決しているかというのを意識して判例に当たることが大事であるように思います。そして、解説は読みたければどうぞといったところでしょうか。解説は判例学説の整理をしてくれているものですが、判例と学説は、前者が具体的な問題解決の中での思考であるのに対して、後者は割りと一般的な問題に対する解決策を提示するもので、位置づけが違いますのでそこは気をつけましょう。まあ実際の問題は「憲法上の問題点を論ぜよ」と問われることが多いのですが、例えば東大ローはそういう聞き方をしないことがありますので、実際の事件の中でどのように憲法が問題になるのかというのは意識しておいて損はないでしょう。


リーディングズ現代の憲法

リーディングズ現代の憲法

分類:4
評価:★★★
頻度:1
これは趣味ですw長谷部先生と同世代の55年生まれの憲法の先生方の共著。「法学部の3〜4年生に向けた教科書として、普通の憲法の教科書では見落とされがちなテーマを扱った論稿を収録。定跡にしたがった議論は掲載せずに読者の思考を刺激し、反論を誘発するよう工夫した。」とのことです。実際、思考が刺激されるのは間違いないですね。自分はこれで13条の解釈を一般的自由説(だっけ?)に変えようかと思いましたww図書館で借りて暇なときにぱらぱら読むっていうスタンスでいいと思いますが、安念先生のは読んで損はしないかと。


なお、教科書として一般的な芦部「憲法」については、僕は最初読んだときに全然意味が分からなかったので、結局使いませんでした。今読むと違うのかもしれませんが…