東大ロー三年夏学期授業を勝手に評価してみる

今学期取った授業について、個人的に評価してみる。言うまでもなく個人の感想です。

知財法(某実務家教員)
あまりにもひどかった。途中からレジュメに説明部分がなくなり、設問としてやるべきではなく、先生が説明すればよいと思われるようなところまで設問にして授業を進めてしまうという、手抜きとしか思えないような状態になり、やる気を喪失した。ソクラティックメソッドという名の手抜きだろうと。中山先生の本を読むと面白いのに、授業で受けるとつまらないという酷い状態だった。何より、授業に出席しなければという強迫観念が強く存在する東大ローで、欠席者がかなり生じていることが全てをあらわしていると思われる。

・公法訴訟システム(宍戸先生・交告先生)
宍戸先生は、実質論を中心に攻めてくる面白い授業をされていた。また、ソクラティックメソッドが成功していると思える稀有な授業だった。
交告先生は、予習段階でわかるような基礎的な話にかなり時間を割かれ、また、話が「独り言調」なので対応に困る部分があった。授業の最後の方で問題提起をがーっとするので。そのあたりの話ばっかりやってくれればいいのに…と思ってしまう。

・中国法(高見澤先生)
まったり話が聞けてよかった。教科書もあるので勉強しやすい。
中国法の話としては、授業時間の制限から、かなり限られた内容しか扱われない。

・民事弁護研究(相原先生)
これもまったり話が聞けてよかった。課題の提出が4回と多いのはそこそこしんどいし、他の科目と違って試験があるというのもおいしくないが、授業は弁護士業務を受託〜判決に至るまでの過程において注意すべき点などをまとめたレジュメの内容を詳細に開設+先生の体験談に基づいたアドリブトークで、弁護士のいろんな話が聞ける雑学的な授業として見るとまた楽しい。
あと、先生が飲み会好きだったため、飲み会が二回あって、馬鹿騒ぎできたのもよかったw

・商法ゼミ(藤田先生)
取る人いないだろうけどw
今年は、ロッテルダム・ルールズについて、英語の条文を一つ一つ見ていくという内容。まず学生が指定された範囲の規定について30分ほど報告をした後、一時間余り先生が学生に対し、条文についてアドリブ質問をされ、それにこたえていくというスタイル。学生が四人(ロー生二人+留学生二人)だったため、発表は一人三回、最後には一万字レポート。普通のロー生は取らないだろうなあ…しかし今学期はこのゼミと、商事売買があったので生きていけた。
とりあえず、全然わからない日本運送法+日本にない法律上の概念+参考書等に答が全くのっていないことを答えるよう求める先生の授業当日の質問=やりがい∞
negotiableの概念と日本の有価証券法上の概念の対応関係に色んなものを見た。

・労働法(荒木先生)
大人数のクラスだが、ソクラティックメソッドを敢行。しかしある程度うまくいっている不思議。
授業はケースブックを学生に答えさせる形式で進行し、ちょくちょく先生の解説が入るという感じ。
ついこの間出た先生の教科書が授業の「ネタ本」となっていることと、三人掛けの机に三人で座るという教室のぎっしり感(さらに言うと、屋外の方が涼しいくらい暑苦しい)がなければ言うことはなかった。

・上級商法商事売買(松木先生)
詳細なレジュメに基づく解説と、途中に設けられた設問を学生に答えさせることで進む授業。ちょくちょく実務の話や、実務感覚ではどうかという話も登場。
内容は相当濃かったし、何より先生が多くのことをお話になるので、毎回授業後は頭がパンクしそうだったが、授業自体は質の高い、よくまとまったものだった。欲を言うと、補講をやってほしかった。

え、環境法?
切りました(キリッ
あまりにもぐだぐだだったもので。しかも、半分以上全出席を続けたうえで切りました。もったいないと言われるけど、途中から聞く気がなくなってたので…興味が全くない科目を取ってもいいことはないですね。

総じて、前に書いた、ロースクール授業批判があたる科目が多くはありましたが、素晴らしい先生方は、そのあたりをテクニックで補っていらっしゃいます。しかし、それはシステムとしてはやはりおかしいと思うんですよね。
やはり、ロースクールの数をそのままにして、ロー生の数を半分とかにするのがいいんでしょうが、それだとお金がかかりすぎるんですよね。結局、従来実務や修習が受け持っていた教育を、大学が、学生の計算でやらせるという状態にあるわけで、それなのに仮にその教育がうまくいっていないとしたら、一人学生だけが損をしていることになるというwただでさえ世の中的な損得勘定が下手な(≒正義感に親和的)法曹志望者に、損をするようなシステムを供与してどうするんだと。

お、だいぶ眠気が覚めてきた。勉強に戻るか〜

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