サマクラのすすめ(2)

(1)からの続きです。

まず、サマクラに応募するにしても、何を書けばいいのかとかと頭を悩ませているうちに、応募期間がもうすぐ終わりそう!となってしまう方も多かろうかと思います。

しかし、サマクラの採用をパスするための必勝法で最も簡単なのは、「募集開始直後に応募する」に尽きます。採用担当者も人間ですので、早いほうが心証がいいですし、最初に見たもののほうが印象に残ります。また、採用プロセスを考えても、後になればなるほど候補者が増えるので、早い方が圧倒的に有利です。

また、何を書けばいいのかというのは、思うところを書いてくださいというほかありません。ただ、個人的によく思うのは、応募書面の文章は結構平板で没個性的なものが多いということです。成績が抜群にいいなら別ですが、そうでもないなら、ある程度キャラが立っていないと目立ちません。また、おそらくキャラを持っていると思われるのに、それを文面に表現できていないのではないかと思うものも結構あります。こういうのは非常にもったいないので、工夫してほしいなあなんていつも思っています。

次に、サマクラにどれくらい応募するのがいいのかという話ですが、応募し過ぎて夏休みが無くなるのもどうかという話もあるでしょう。そこで、募集先を絞る必要が出てきます。では、どういう切り口で絞るのかという話ですが、弁護士の人数に着眼するのがベターかと思います。

事務所の弁護士の人数は、職場の雰囲気と仕事の振られ方に直結します。一般論として、部門制をもっていると、一定のパートナーから、特定の分野の案件のみが来ることが多く、部門制をもっていないと、いろんなパートナーからいろんな案件が来ることが多いといえると思います。

ロースクールにいる間は、どちらかというと業務の内容(MAやら事業再生やら)に着目して事務所を選ぼうと考えるのが普通だと思いますが、実際働くとなると、職場の雰囲気や仕事の振られ方は超重要です。いくら好きな業務分野の仕事であっても、それを振ってくるボスが自分と性格が超合わない上に、そのボス以外からの仕事が受けられないとしたら、3か月で辞めることになるでしょうから。

人数に着目して事務所を大胆に分けると、
・部門制があるような事務所(弁護士数100名以上くらい)
・部門制がないけど一定規模を有する事務所(弁護士数30名〜100名くらい)
・全員の顔が見える規模の事務所(弁護士数30名未満)
というところでしょうか。募集するなら、それぞれにバランスよく募集するといいでしょう。

もちろんそれ以外にも、ブティック(特定の部門に特化している)かどうかとか、渉外が強いとか、外資かどうかとか、いろいろ切り口があると思いますので、そのあたりは藤本大学*1を見ながらご検討ください。

最後に、サマクラに採用された場合の充実のさせ方です。これはうちの事務所に限った話になりますが、弁護士にガンガン絡んでいきましょう(もちろん、基本は昼休みや営業時間外にですが)。そして、弁護士の実務についていろいろ聞いてみましょう。こっちも、民法が判りませんと言われると困ってしまいますが、弁護士の実務や専門性の高い法律についてロースクール生が判っているなんて思っていませんので、変な虚勢を張る必要はありません。

なお、事務所の実態(労働時間、案件の振られ方、事務所内でのキャリアの重ね方等)を知るには、3年目から5年目くらいのアソシエイトに話を聞くのがいいのではないかと思います。夜はそういう若手に食事に連れて行ってもらって、いろいろ聞いてみるといいのではないでしょうか。

以上、思いつくままに書いた乱文ですが、これらを参考にしていただいて、ロースクール生の皆様が充実した夏休みを過ごさせることをお祈りしています。
できればうちの事務所にも応募してくださいね!(といいつつ所属事務所を明らかにしていないわけですが…