エチオピア・ケニアの旅:6.エチオピアの洗礼

アディスアベバ空港で、エチオピア航空職員にベンチで待っているよう指示され、待っている我々。しかし、待てど暮らせど職員は何も言ってきません。

そうしている間に、周りのベンチに座っている人たちは入れ替わります。私はアフリカ大陸初上陸なので、周りの人々・物の全てが珍しく、観察して待ちます。書いてある文字はアムハラ語で全く読めませんが、面白い形をしていて見ていても面白いです。また、周りの人々は大きく分けると、洋服を着ていまどきな格好をしている人、伝統衣装らしきものを着ている人(ほとんど女性)、ムスリムらしき人に分かれます。

こうやって時間を過ごしていると、もう昼時です。すると、隣のマダム2人連れが、昼ご飯を食べ始めます。我々が物欲しそうな顔をしていたわけでもないでしょうが、なぜか隣の我々に自家製のパン(クレープを重ねたような物)をわけてくれます。我々もお言葉に甘えて頂きますが、微妙に酸味があり、おいしかったです。

それでも、職員は、2時前になっても何も言ってきません。聞きに行くと、キャンセル待ちなのだから待っていろと言われます。我々はこの時点ではじめてキャンセル待ちであることを知るのです。そして、結局2時過ぎに、「Seats are full」という、残念な一言を頂戴します。そう、我々は5時間待たされた挙句、アクスムには行けないということになったのです。

日本以外の国(特に先進国以外の国)では、不明なことは全部聞いて、きっちり言質を取らなければならないのですが、私も久しぶりの先進国以外の国の訪問ですっかりそういうことを忘れていたのです。キャンセル待ちだというのを早くに知っていれば、あきらめて他の方法も考えられたはずななのですが…今回の旅程は、アディスアベバアクスム→ラリベラ→アディスアベバだったので、これでラリベラに行くのもほぼ不可能となってしまい、我々の旅程は、開始早々再検討を要することとなってしまいました。私は、アクスムとラリベラに行くことが、今回の旅行の最大の目的だったので、結構絶望的な気持ちになりました。

それでも、とりあえず今日のところはアディスアベバ市内のホテルに泊まるほかないだろうという結論になります。それで、アディスアベバ市内に向かおうとするのですが、そこで我々はとんでもないことに気付くのです。

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