自慢

昨晩ツイッターで気づいたんですが、どうやら某有名判事のフェイスブックにて当ブログを紹介していただいたようです。それを知って確認してみたら、アクセス数が急増していて、前回の確認から三日で3000アクセス超え。私のブログは一日300アクセスくらいが通常なので、何ともまあびっくり。同判事の影響力の大きさを思い知った次第です。

もちろん、当ブログは、見ていただくために書いているわけですから(その割にはどうでもいい記事ばっかりと言う指摘は勘弁してくださいね)、そういった影響力のある方に紹介していただいたのは大変ありがたいことです。とりわけ、私もFBを確認してみましたが、紹介していただいた記事に、多くの法曹界の先輩方からいいねやコメントをいただいており、そういった方に当ブログを拝見していただけたとしたら、本当に光栄で、うれしいことであります。

といいますのも、私が修習をしている中で思ったのは、中堅かそれよりもっと下の法曹の方々と*1、それよりも下の期の方々との間では、意識と言うか考え方で結構な差があるのではないかということでした。もちろん、世代間ギャップというのはどの業界でも当たり前のことなので、私もそれが問題だと言うつもりはまったくありませんが、話を聞く限り、ここ数年の法曹業界、とりわけ大人数が流れ込む弁護士業界というのは変動が大きく、それまでの法曹関係者と、ここ数年の法曹関係者との間では、意識にかなり大きな差があるのではないかと思います。

特に、ここ数年で顕在化している就職問題と言うのはすさまじいもので、これが上の意識に影響するところは大だろうと思います。これはあくまでも噂であってデータを持っているのではないのですが、現在のところ、65期東京・大阪の修習生のうち5割が、内定をいまだに持っていないという話も聞きます。それは逆に言うと、それだけ吸収する力がある事務所が少ない、すなわち、仕事が余っているような事務所があまりないということです*2。そういう状況からすれば、就職・仕事の心配が基本的になかった時代の修習生、弁護士と、そういった心配をするのが大半な修習生、弁護士とでは、いろんな面で差が出てくるでしょう。弁護士倫理に反するようなことをやる弁護士は増えるでしょうし、公益に資するような業務よりまずは自分が食っていくことだと考える弁護士が主流になるでしょう。我々のように貸与制になると、公益業務をやりたいとはあまり思わないという人が多くなるかもしれません。そういう意味で、同じ弁護士の中でも、ジェネレーションギャップが大きくなる、或いはギャップがこれまでとは異質のものになるのではないかという気がしています。

ここで私が言いたいのは、だから先生方は後輩というか我々の声に耳を傾けてくださいということではありません。当然のことですが、先生方がご多忙で、修習生の話を聴く暇がないというのは修習で十分に理解していますし、それを義務としてやるべきは、弁護士会なり法務省なりの担当の方がやるべきことだと思います。また、以前就活の話でも書きましたが、先生方にぐいぐい寄っていくべきは暇な修習生のほうがやるべきことです。

とはいえ、私としては、個人的な思いや意見が少しでも先輩方にお伝えできればという思いもあって、こうやってブログにだらだら意見を垂れ流していたということがあったので、駄文でお目汚しをしたのは恐縮ではあるものの、それを見ていただけたのは本当にうれしいことだと、そういう話です。

特に、弁護修習にて、自分が起案した書面が裁判所を動かしたときの快感、達成感が、今まで感じたことがない途方もないものだったということから法律家の仕事の魅力にハマり始めた私としては、文章で人に意見が伝わる或いは意見を採用してもらうというのは最高にうれしいことなのです。そういう意味で、今回の件は本当にうれしかったので、自慢するために上のような記事を書いたと、そういうことです(うへへ)。

あとちょっとおもしろかったのが、上のコメントで、私の記事を読んだだけでは男性か女性かわからない、むしろ女性ではないかと書かれていたことでしょうか。残念ながら(?)ゴリゴリの男です。すみません。

最後に、紹介していただいたことに感謝の念を示すため、某判事のご著書を紹介させていただきます。

要件事実マニュアル 第1巻(第3版)総論・民法1

要件事実マニュアル 第1巻(第3版)総論・民法1

このような流れでこういうことを書くと信用性がないかもしれませんが、この本集合に来てからまた一段と役に立つなあという思いが強まりました。「マニュアル」と称されてはいますが、民法の復習もしつつ、要件事実を勉強できるなあと思って使っています。値段はいい値段しますが、その価値はあるなあという感じがしますし。

とまあ相変わらず生意気なことばかり書いていますが、それももういつものことと言うべきでしょうか。意見を言うというのは基本的に生意気になることを避けて通れないところはあるという言い訳を最後に載せて、締めとさせていただきます。

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*1:イメージ的には60期くらいです。

*2:もちろん、コストが高すぎる事務所等もあるとは思いますけれども。