それでも人生は続く

今年の夏、10年来の親友を亡くしました。
九州の地方都市出身であった彼は、その地や家族の期待を一身に受け、上京し、学問を修めたのに、まだ三十になる前に亡くなってしまいました。最後に会ったのは今年の4月でしたが、昨年転職をした彼は、職場が充実していることを明るい顔で話していて、いかにも人生これから、というようなところだったのに。

彼との最後のお別れに、九州に戻りました。弔辞の前には雷が鳴り、信じられないくらいの豪雨が降り始めました。
せめてお別れにいかねば、自分の中で彼がいなくなることを受け入れられないと思い行きましたが、何も変わりませんでした。
自分が弁護士になって10日後、一緒に博多のラーメン屋のカウンターで並んでラーメンを食ったことがついこの間のように思い出され、この年末にも一緒にラーメンを食えるように思えてしまいます。

彼がいなくなってから、そのことを思い出さないよう、日々頭と身体を動かしていても、やはり夜になると思い出してしまいます。

それでも生きていかないといけないのでしょう。

去年も親友を亡くしました。二人とも、これから数十年の付き合いだと思っていましたし、将来はきっと一緒に何かやるんだと思っていました。しかし、彼らとともに過ごす未来は永遠に失われました。

きっと、人生は長く、そのようなことにも慣れていくのでしょう。
それが大人になるということであり、人生なのでしょう。
しかし、それでも、目の前の、悲痛という意味を知っていく時間は辛すぎる。