次官・若手ペーパーについて

フェイスブックツイッター上でも話題ですね。
http://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf

このペーパー、私のライン上では批判的な意見が圧倒的多数でした。
私も一読してそれなりに違和感を感じました。ひょっとしたら、知り合いが作成に関与しているかもしれませんが、批判される覚悟で世に出したんでしょうし、炎上マーケティング狙いかもしれないので、ここでその狙いの達成に寄与しておきます。

こういう提案が公の場に出てきて議論が起きることはいいと思いますし、結論について異論はない所もあるのですが、以下の違和感がありました。

・まず、このペーパーの位置づけがよくわからない。要は高齢者から若者へお金の使い方をシフトしましょう、ということを言いたいだけなのか?そこがよく見えない。よく見えないようにしているのかもしれないが。

・「かつて人生には目指すべきモデルがあったが今はない」という問題意識が違和感しかない。人生の「100点」、「合格」とはどういう意味なのか?数十年前の日本人には悩みがなく、今の日本人は大変なのか?「いつだって大変な時代」でも読んでほしい。大変に見えるとしたら、SNSやインターネットの発展で、匿名での意見発信が簡単になり、他人の意見が具体的に見えるようになっただけではないのか。人生というのに所与の目指すモデルがあるというのが、いかにも出世という概念が存在する官僚的で、それが当然という点が理解に苦しむ。人生の目指すべき所はそれぞれが築き上げていくものという考え方もあるだろう。

・人生の豊かさ云々に踏み込んでいるところに違和感。何より、老人から若者に金を回そうという話の理屈付けに幸せ云々言うのに違和感。「定年退職を境に、日がなテレビを見て過ごしている。」の何が悪いのかよくわからない。高齢者にも働いてもらわないと回らないならそう言えと。テレビを見て過ごすのが不幸という根拠に違和感。

・論理というのか因果関係というのかがふわっとしている。自説の根拠となっている例が根拠として弱い。「自分で選択しているつもりが誰かに操作されている?」というパートがこのペーパーで結論にどう寄与しているのかがわからない。

・ペーパーの内容とは関係ないが、半年以上時間をかけ、20代、30代の若手30人の官僚が国内のいろんな人とディスカッションしてできたペーパーがこれなのかというのが正直な感想。ただでさえ忙しいであろう高級官僚がさらに残業してこれではあまりにむなしい。したがって、ペーパーで触れられているような問題意識を持っていない人たちを狙った炎上マーケティングであると信じたい。

ざっくりいえば、冒頭な問題意識を除き、結論の方向性については異論はないところがありつつ、ポエムな感じになってしまってるところに違和感が強いんでしょうかね。まあ、ポエムな感じが受けるだろうという読みの下でそういうテイストになっているのかもしれませんが・・・

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