公共政策大学院の公開セミナーに遊びに行ってきたよ

「『アジア半球』が世界を動かす」
"The New Asian Hemisphere:The Irresistible Shift of Global Power to the East"

キショール・マブバニ氏、緒方貞子氏、田中明彦氏が参加。
最初にマブバニ氏が基調講演、そこから三人がパネルディスカッション、最後に質疑応答。パネルディスカッション以下の司会は飯田敬輔氏。

とりあえず通訳なしなので、それでどこまでいけるかね…と思いながら聴いていたけれど、意外といけるもん。特に、ネイティブでない方の英語って逆に聞き取りやすかったりするわけだけど、田中氏の英語はほんとに聞き取りやすかった。緒方氏が一番流暢と言うか速いというかで聴きとりにくく、マブバニ氏はおそらく意図的にゆっくりしゃべってくれていたような。ということで、英語能力(笑)の自分でも、半分くらいは理解できた模様。しかし英語のリスニングなんて久しぶりすぎて疲れたわ…

マブバニ氏が最近本を書かれたということで、その内容にさっと触れた後、なぜそれを書いたかという理由を話して基調講演終了。最初に何を話すかを示してから内容に入るという、非常に基本的なやり方を取られていたので大変わかりやすかった。内容はなんかちょっと運命論的なにおいを感じたが…西洋の世界を動かす(dominate)時代は終わり、次第にアジアへその力が移るという内容。世界はそれに備えていくべきである、と。そして最後に日本は悲観的になるべきではなく、チャンスはいっぱい転がっているということを言っていた。

そこからパネルディスカッションで、緒方氏、田中氏の順にお話になった後、マブバニ氏にマイクが戻る。
緒方氏の部分は、途中で自分が咳込んでしまい、ちょっと話を聞くどころではなくてわかんなくなってしまった。
田中氏は、日本人が現在悲観的になっている理由を、Western domination の時代は、日本にその例外であるというアイデンティティをもたらしたが、Western dominationが終わることで、日本はそのアイデンティティを失ってしまっているというように説明した。
マブバニ氏は、日本のpolicy maker(政策を作る権力を持つ者)や外務省は、上のような力の移転に対応できていないと述べ、しかしながら、このような時代の変化はイニシアチブを取るチャンスであり、長らくアセアン諸国に貢献してきた日本は、現在中国にそのイニシアチブを取られつつあるが、そこは頑張りましょうと。
また、緒方氏は最後に、世界が変わる時、われわれがどう変わるかが問題であると述べた。

質問では学部生、院生、卒業生が一人ずつ挙手。英語で質問する度胸がすごい…
まとめてお三方がそれぞれお答えになったが、緒方氏、田中氏はともに、日本が欧米とアジアの架け橋になることはできないし、そもそも今の時代かけ橋は必要でないと述べ、マブバニ氏とは逆の立場に立った。
マブバニ氏は、グローバリズムは経済面では大いに進んでいるが、それが政治面で進んでいると考えることはできず、そこはきっちり区別しなければならない、むしろ政治面では欧米とイスラムアメリカと中国など対立は先鋭化しているとされた。ちなみに最後に、緒方氏をべた褒めし、緒方氏のような方が出れば出るほど世界がよくなるとおっしゃっていたw

とまあばっとまとめたんですが、聴くことで精いっぱいで、全然理解できていないので、ほんとにポイントをまとめただけ。
むしろそもそもの目的は、世界で活躍するような方ってどんな感じなのかっていうのを見ることにあったので、その目的は十分達成できたかと。そのために前から二列目に座ったし。
マブバニ氏は、国連事務総長の座を狙っただけあって、割と政治家的要素の強い方。主張も結構ある感じだし、トークも政治家的な感じがした。緒方氏は、ぱっと見普通のおばあちゃん、といった感じなのだが、話し始めると知性があふれ出てくるような。しっかりとおしゃれをされていて、思った以上にセレブな感じ。とはいえ、あれがスタンダードなのかな?何しろ基準を作れるほど事例がないのでわからない。

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